【事例をご覧いただく場合の留意点】
詳細に記載しますと守秘義務に抵触しますので、ポイントを絞ってご紹介させていただきます。
A社の経営企画部長からご相談を頂戴した時は、以下の課題を抱えていました。
中経と年経の内容確認からスタートです。中経は分厚い資料で作成されていましたが、ポイントが不明確で、何をするのかが不明確になっていました。また中経と年経の結びつきもよくわからない状況です。中経と年経の作成では、絶対に外してはならないポイントがあります。
例えば、
等です。
これらのポイントを意識して中経を修正していただき、その新しい中経から、年経を作成していただきました。
この過程を経ることで、何をするのか、とその優先順位が明確になった非常にわかりやすい中経と年経に生まれ変わることになります。
展開の前に各部ごとで階層を設定します。
A社では年経を本部レベルまで作成していましたので、部レベルを第1階層、課レベルを第2階層、グループレベルを第3階層、個人レベルを第4階層と定義しました。
最初に年経から部方針への展開を実施します(第1階層への展開)。
展開の際には、当社設計の方針管理帳票2種(「①展開状況を管理する帳票」と「②展開後の計画を策定する帳票」)にA社特有の管理ポイントを入れてカスタマイズして使用しました。この帳票を使用すると、方針展開の流れがクリアになり、展開された担当者全員が割当てられた仕事の重要性を認識できるようになります。最終的には、第4階層の個人レベルまで展開していきました。
第4階層まで展開した際の多くのお客様の代表的な反応は、「過去の何倍も展開に時間がかかったが、それくらい時間をかけないと、部下が本当に方針を理解しているとはいい難い状況だった。これまでの展開は、"展開もどき" だった」というものでした。このように、企業活動の根幹を成す中経や年経の内容が不十分だった事例は枚挙に暇がありません。
なお、参入市場が黎明期などで環境変化が激しく、短期間で方針変更される場合は、もっとシンプルな方法で展開を実施することになります。
個人レベルまで展開すると、当社設計帳票(「③テーマ進捗管理表」)を使用し、テーマ別に進捗管理しました。組織で管理している指標以外は、この帳票を使って月次で上司と進捗確認を行い、毎月の目標を立てて活動管理するようにしました。
第4階層の個人レベルまで展開した後の管理で重要なのは、テーマが期限までに目標達成できないと分かった場合に、それが管理できる仕組みになっていることです。一つのテーマの未達成が全体に影響を及ぼすためです。
「③テーマ進捗管理表」はそれをチェックできるようになっていますので、チェックに引っ掛かったら、適切に目標値を変更し、組織目標への影響を最小限にとどめるようにしました。
方針を立てて活動しても、良好な結果を生まない原因のひとつに、上長があれもこれもと要求し、かつ優先順位をつけずに指示を出すために部下の活動が分散してしまい、どれも中途半端に終わってしまうパターンがあります。A社もこの例外ではありませんでした。
主に上長が部下の繁忙状況を理解しておらず(理解していても、理解していないふりをするケースを含む)、次々と指示を出してしまうことに起因しています。
方針管理システムを導入することで、優先順位付けが必須になりますので、経営的に重要度の高いテーマに対して、より多くの時間を投入させることが可能になりました。
「③テーマ進捗管理表」を使用することで、上長と部下の間でゴールイメージの共有をはかり、それに至るフェーズを事前に設計し、共有することになります。
ゴールイメージを共有することで、部下があらぬ方向に進むことを防止でき、さらにフェーズを共有することでプロセス管理が可能となり、結果管理から事前管理に転換することができ、始めからやり直すことが減少しました。
この両者を満足させることで、時間という経営資源の無駄を排除できました。
マネジメントの重要な要素のひとつに、上長が部下に対して行う「時間管理」と「進捗管理と行動修正」があります。
方針管理システムを導入し、「③テーマ進捗管理表」を使用することで、それらを確実に行えるようになりました。
中経や年経が全社に展開される仕組みのため、上長からの視点では、展開状況やテーマの進捗状況に対する見通しがよくなります。その結果、テーマに対する関心が高まり、しっかりと管理されることで、方針に則った行動を徹底的にやりぬく風土が醸成されました(ただし数年単位の時間がかかります)。
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